イスラムの夜に欠かせない、大人の香り

飛行機などで異国に降り立つと、外に出た瞬間にふんわりとその国の香りが漂ってくる、誰もがそんな経験があるのではないでしょうか。異国情緒あふれる香りに鼻孔を刺激され、日本から遠く離れた国に来たことを実感する。その瞬間は、海外旅行の醍醐味とも言えます。

どの国に行ってもその土地特有の香りがあるものですが、それが特に強く特別なのはイスラム教圏である中東であると言えるでしょう。 スーク(市場)には必ずスパイスを売る店が何軒もあり、鉄の容器にクミンやクローブ、胡椒などのスパイスが山のように盛られています。またすぐ料理に使えるよう挽かれたスパイスも売られており、よりいっそう強くエキゾチックな香りを放っています。


香りを大切にする文化

イスラム教圏において、香りは歴史的に見てもとても大切にされてきました。 預言者であるムハンマドは生活を楽しくするものとしてバラの香りを珍重していたとされています。それを見た信者たちも習ったところから、香りを大切にする文化はイスラム教圏全体に広まっていき、今では欠かせない文化となっています。

実際イスラム教圏のスークにはスパイスショップと並んで、必ず香水を売る店があります。香水と言っても日本でよく見かけるアルコール成分の入ったものではなく、自然の素材から香り成分だけを抽出した純粋な香水であることが特徴です。ムスリムたちはこれを体に振りかけるほか、洗ったタオルや洋服、部屋や場合によっては料理など様々な場面で使っています。


夜の生活を豊かにする香り

このようにイスラム文化にとって香水は生活の様々な場面において欠かせないものですが、夜の営みの際に使われる香水もあります。 それは麝香(ジャコウ)と呼ばれる香りで、雄のジャコウジカの肛門腺から出る分泌液を乾燥させたものです。入手が非常に難しく高価なものとされていますが、そのうっとりと突き抜けるような香りは媚薬のように、夜の生活を豊かにするものとされています。 千夜一夜物語の「カリフ、アル・ムタワッキルと女奴隷マハブーバとの物語」の中でも、麝香は愛妾のマフブーバが王を誘惑し、自分の寝室に誘い込むために使われたとされているほどです。

もちろん、こうした香りは現代の科学的な媚薬やバイアグラのように確実な効果を期待できるものではなく、それ自体がED治療などに使われるものではありません。あくまで雰囲気を楽しむことが前提ではありますが、夜の生活を豊かにするものとして、ムスリムたちには高い人気を誇っているようです。イスラム世界においては場所や社会背景によってバイアグラすら反イスラム的だとみられる場合もあり、バイアグラを使いたくても使えないという状況があるそうです。壮年男性諸氏は日本に生まれたことの幸運をかみしめつつ、積極的にバイアグラを用いてパートナーに喜びを与えるのが務めである、といってもいいのではないでしょうか。


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