イスラム世界にもあった!性の指南書『匂える園』

どこの国にもセックスの道しるべとなる書物はあるもので、イスラムの世界においても性交についてこと細かに記した文学作品がありました。通称『匂える園』と呼ばれる文学作品ですが、同宗教の人々にとっては傑作のひとつです。

絶賛されるのにはそれなりの理由があり、ただの性の指南書ではなく他にもさまざまなことが書かれています。本の内容がどのようなものか知れば、きっとあなたも「匂える園」を一度は読んでみたいと考えるようになるでしょう。


性の指南書にして文学作品!?『官能の悦びの匂える園』

15世紀にムハンマド・イブン・ムハンマド・アル=ナフザウィによって書かれた『匂える園』は、正式な題名を『官能の悦びの匂える園』と言います。同書は性愛についての文学作品ですが、性のマニュアルとしても使えるそうです。

ヨーロッパなどのセックスを参考にした体位が紹介されているだけでなく、著者の生まれ育った場所にある「押し車」という体位や、インドのアクロバティックな体位の記述もあり、中にはユニークなものもいくつかあります。

さらには性の健康に関する諸注意や包茎手術の方法、性病をどのように治せばいいかといったことまで記されているそうです。また、ペニスの例え方も面白く、「槍」や「剣」、「火砲」などさまざまな呼称で表現されています。


性器の呼び方が何十通りも!?大ヒットした名作中の名作

作中での男性器の呼び方は合計35にものぼるそうで、女性器についても同程度の数の呼称があるそうです。そしてさまざまな表現方法を用いて性について語りつつ、合間に娯楽性の高い話を描くことで内容を魅力的にしています。

加えて、夢の解釈のしかたや動物の生殖行為についても述べており、ただの性の指南書で終わらない作りになっているようです。夢判断などはフロイトをほうふつとさせるもので、著書に西洋の知識があったことがうかがえます。

内容のバリエーションの豊かさが功をそうしたのか、あいだに挿入しているストーリーが受けたのかはわかりませんが、『官能の悦びの匂える園』は大ヒットを記録し、イスラム圏ではアラビアンナイトと同じぐらいに評判になりました。


日本版は存在しない!読みたい場合は外国語のものを買うしかない!!

同書はヨーロッパにおいても翻訳されて出版されましたが、はじめのころは最終章で語られていた「同性愛」や「少年愛」についての項目が削除されていたそうです。おそらく西洋での性の考えと、相容れなかったためと考えられます。

しかし同著は書かれていた内容のすべてがオリジナルではなく、いくつかの箇所はインドにある別の作品や、フロイトの夢判断を参考に書かれたものです。ですからイスラムではなく、インド的な考えが合わなかったのかもしれません。

日本でも過去に出版されたことがあるのですが、すべて発禁処分を受けてしまったため、日本語では読めないです。どうしても内容が知りたいと言う場合は、英語やフランス語、アラビア語などで書かれたものを読むしかないでしょう。


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