天国の男たちはどうして忙しい?

イスラム教では唯一神アッラーの預言者とされ、神の啓示を民衆に広く知らせる存在として神聖視されていたムハンマド。その教えは日々の生活の中での知恵や、生きていくための教訓など、生活に密着したものであったことが知られています。
しかし中には現代の価値観と照らし合わせるとちょっと不思議で、首を傾げてしまう教えがあるのも実際のところです。


天国に関する記述

例えばコーラン(イスラム教の聖典)の56章27節から40節には、次のような記述があります。

『右手の仲間、右手の仲間とは何であろう。(かれらは)刺のないスィドラの木、累々と実るタルフ木(の中に住み)、長く伸びる木陰の、絶え間なく流れる水の間で、豊かな果物が絶えることなく、禁じられることもなく(取り放題)。高く上げられた(位階の)臥所に(着く)。本当にわれは、かれら(の配偶として乙女)を特別に創り、かの女らを(永遠に汚れない)処女にした。愛しい、同じ年配の者。(これらは)右手の仲間のためである。昔の者が大勢いるが、後世の者も多い。』

少し難解ですが、これはムハンマドが信者に説いた天国についての記述とされており、イスラム教を厳格に信仰してきた男たちは死後、その褒美として100人の処女と交わることができるという内容が書かれています。
その女性たちは性交後また処女に戻るため『天国では男たちは処女の花を散らすのに忙しい』とされ、また天国の男たちは『それが可能なように、100人の男に匹敵する精力を得られる』ともされています。

現代の厳格なイスラム教の聖典に書かれているとは少し信じがたい内容ではありますが、この教えはムハンマドが実際に信者に対して説いたものという伝承が残っており、かつてのイスラム教の性に対する寛容さが垣間見えるエピソードでもあります。


性欲を感じたら妻のところへ

また信者へ説かれたエピソードとして、次のようなものもあります。

ムハンマドはある日女性を見て、その足ですぐ家に戻り妻の一人ザイナブのところに行った。その後教友(サハーバ)達の所に赴き、女性を見て彼女に欲情した時はすぐに妻のところに赴き性交することで情欲を抑えるように説教したとされる。「日訳サヒーフ・ムスリム」第2巻より

やはり厳格なイスラム教の教義とはにわかに信じられない部分もありますが、実にあけすけで合理的な教えと言えるのではないでしょうか。

イスラムの教えは全て理由があり、何がよくて、悪いことなのかをはっきりさせているため、宗教というよりは道徳の教科書をひも解いているような雰囲気です。砂漠の多い厳しい土地で生きていくためには相応のルールが必要であり、そのルールの役目を果たしているのがイスラムの教えというわけなのです。


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