一夫多妻制は男尊女卑?

islaam イスラム教のことを知るうえで欠かすことのできない一夫多妻制という文化。
今でこそ西洋的思想の混入もあり、一部の地域や上層の権力者のみが採用する程度となっています。しかし過去には十分な財力や体力のある男性であれば複数の妻を娶ることは珍しいことではありませんでした。

また実際にイスラム教の聖典であるコーランにも、ムスリムの男性は4人までの妻を持ってよいということが明言されており、これがイスラム教で一夫多妻制が認められる根拠とされています。また人間の男性の性の能力は1人の女性に対してだけでは十分でなく、動物的にみても不自然な姿である、とする考え方もあるようです。


一夫多妻制は女性の気持ちを踏みにじる?

近代において、こうした制度は西洋的思想の混入により男尊女卑的であるとされ、イスラム世界でも女性の権利を擁護する動きが強まっていることから、非難の対象とされることも珍しくありません。

誰もがこの一夫多妻制を採用しているわけではありませんが、一部の権力者や、部族の長などは未だに複数の妻を娶っている例も珍しくなく、女性の気持ちや権利を踏みにじっていると考える動きも少なからずあります。


一夫多妻制が認められてきた合理的な理由

しかしその一方で、一夫多妻制は必ずしも男性の欲望を満たすためだけの制度ではないことも明らかになっています。

イスラム教が広がっていった中東を地理的に見ると、砂漠や岩山など荒廃した土地が多いことが分かります。そのため部族間でより条件のいい土地をめぐって争いになることも珍しくありませんでした。また中世以降はキリスト教との宗教的、領土的な争いもあり、世界的に見ても非常に戦争が多い地域であったと言えます。

戦争が起こったときに駆り出されるのは男たちですが、全員が無事に帰ってくる保証はありません。そのため一時的に男女間の人口不均衡が起こったり、戦争未亡人になってしまう女性が増えたりすることも少なくありませんでした。 しかしこうした状況下でも、イスラムの世界では女性が人前に出ることは好まれないため、たとえ乳飲み子がいたとしても1人で働きに出ることは許されておらず、女性たちは生活の糧を失うことになってしまいます。

こうした背景の中、十分な財力をもつ男性が2人以上の妻を娶ることはコミュニティ維持の上でも合理的な考え方とされており、一夫多妻制とは寡婦の経済的扶助手段として導入されたと考えられています。
複数の妻を娶る男性の条件に「十分な財力」という但し書きがついているのも、こうした理由からなのでしょう。


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